関西シャンソン協会も応援してます

繋がる「若者居場所工房ぐーてん・子ども食堂」

コンサート活動で地域のことを多くの方に知ってもらう事もサスティナブルな社会で大切です…
 
不登校やひきこもりなど、生きづらさを抱えた若者が定期的に通うことのできる居場所として、20109月豊中市庄内に「若者居場所工房ぐーてん」が誕生しました。そして2015年11月から「子ども食堂」の活動を開始。その活動を行うNPO法人ZUTTO (ズット) の和田美穂さんに、同じ豊中市庄内に拠点を置くNPO法人関西シャンソン協会のヤスコWildさんと共にお話しをお伺いしました。
 

 

(写真左:ヤスコWild/右:和田美穂)
◆子ども食堂を始めたキッカケは?◆
【和田】東京の方で子ども食堂をやっているらしいという噂を聞きつけて、子どもたちと楽しくご飯を食べられたらいいなということで始めました。それが2015年の11月、豊中市での第1号の「子ども食堂」だったんです。最初は「子ども食堂」という事があまり知られてなかったので、学校の先生も子どもたちが夜にウロウロするのはいかがなものかみたいな感じであんまり理解はなかったんですけど。  
 
◆最初はどういう宣伝をしたんですか?◆
【和田】「一緒にご飯食べよう」とか。公園にチラシ撒きに行ったり、自治会の掲示板に貼ってもらったりとか。あとは子どもたちが友達連れてくるような感じです、口コミですね。  
 
◆ヤスコさんはその頃から知っていたのですか?◆
【ヤスコ】知らなかった。ここでお手伝いしてる I さんっていう高校時代のクラスメイトの奥さんから「子ども食堂」ってあるから協力してねって言われて係わるようになったんです。
【和田】I さんは料理の先生で、今はもう毎回来て料理の指導や陣頭指揮をとって、味付けとか全部やってくれるんです。色々考えてくれて作ってくれますので食事は結構豪華なんですよ。  
 
◆支援物とかはどうやって募集してるのですか?◆
【和田】民生委員さんからもらったりとか、社協(社会福祉協議会)さんや、生協さんからももらってる。あとはネット見て企業さんが大口で食品や野菜くださるところがありますね。結構ネット見て寄付をくださる方とか、全然知らない方とかの寄付があったりします。今はAmazon(ネット通販)の欲しいものリストってなっていて、それを見てAmazonから物が送れるんですよ。今日も全然知らない方からラーメン2パック届きました。 立ち上げ時点の方がもっと地元地域からが多かったかな。いきなり知らない人がハイとか言ってお菓子持ってきてくれたりとかポストに寄付入っていたりとか。その当時はまだ「子ども食堂」というのは他に無かったからそういう意味で注目度は大きかったんですね。今はもう豊中もでも子ども食堂が増えているんで少しばらけています。  
 

◆「子ども食堂」って看板は出してるの?◆
【和田】出したときもあります。
【ヤスコ】私はあんまりぐーてんのこととか書いたり言ったり今までなんとなくしなかって、よう分からんからどうなのやろね。
【和田】まあ必要な方には届くといいなと思いますけど。今ね、50食用意してていっぱいいっぱいなんです。だから子ども食堂もね実は今はねあんまり大ぴらに言ってないんですよ。  
 
◆子ども食堂はどんなスタッフで実施してますか?◆
【和田】ここの大人の居場所やっていた卒業生、昔は小学生やった子が今は大学生で手伝いに来てくれたり、地域の人も来はります。男性ボランティアが多いんですよ。それで料理して皿洗いしてボランティアスタッフを合わせてまあ10人弱のメンバーで実施してます。
 
  ◆将来の課題については?◆
【和田】まあ、継続ですね。継続でアップアップしてますけど。ボランティアしてくれる子もいるし時々顔出してくれる子もいるし。いろいろ過酷な家庭環境にいる子たちもいるので、「子ども食堂」は楽しかったなって思い出してくれたらいいなと思うんです。
【ヤスコ】こういう場所が、子どもたちがお腹空いた時には、あそこに行ったらご飯食べられるとか、夜寝るとこもあそこに行ったら寝られるとか、そういう所が常時あるのがいいなと思います。個人の善意に頼ってばっかりじゃなくってもっと行政が、例えば森友学園の小学校予定場所(現在も稼働していない)を買収して職員雇ってまあ、病気になったらちょっと誰か見てもらえるような環境とかそういうのがあったらいいと思いますけど、なんで出来ないのやろ。  
 

◆コンサートや芸術活動におけるサポートは?◆
【ヤスコ】最初の頃は「コンサート来て日常生活の事を忘れて夢の世界に来たと思ったら、現実がばっと見えるから嫌だ」って言う人がいたんです。その方から「あんまり宣伝しない方がいいのと違う?」って言われて、私は「そうぉ?」と答えながらずーとやってたらその人は黙ってしまった。だってね、人によって捉え方があるから、しないでいいっていう人とした方がいいっていう人とね。だから、全然無理強いしないで、チラシを挟んでおいて子ども食堂を助けましょうって言う。そして募金箱を置くと心ある人は入れてくれる、それだけの事のサポートなので全然無理強いはしてないんです。
 
  ◆地域の問題と芸術活動との相互コミュニケーションの意義について◆
【和田】やっぱりしんどい思いをしてる子どもたちの事とか知っていただくのがいいかなと思うし、そういう子達ってちょっとやんちゃじゃないですか。だからそれを大人が “あかん” って思わずに、“ちょっといろいろ家庭環境が厳しいんやなぁ” ってそういう理解を持って頂けるといいかなと思います。
【ヤスコ】今、少子化って言われているでしょ。だけど、どこの子でも元気に立派に育ったら、次の日本に役に立つじゃないですか。自分とこの子だけじゃなくって子どもみんながね。年寄りばっかりで支えられないそう思いますけど。貧しいのも一時のことやったなって思って社会に出て伸び伸びと自分の暮らしが出来るようになったらいいなぁって思う。そうすれば日本というか世界が良くなっていくから。
【和田】ありがとうございます。まあささやかな事ですけど、それが積み重なってなんかあたたかい大人もいるんやなと思って、みんな支えてくれたなって大人になってから思ってくれると嬉しいですよね。
 
  ◆ぐーてん子ども食堂の特徴は?◆
【和田】予約が要らないで子どもだけで来ることができる。なかなかしんどい家庭の子って親が予約してくれないんですよ。それで親が連れていかない、もうほりっぱなしなしだから。 だから予約なしなくても、子どもだけで来ていいよっていうのが特徴です。
 
  ◆お話しをお伺いしている間も数人の子どもたちが訪れてきて、ここが子どもたちの楽しみの場所になっているのが伺えました。子ども食堂が地域で気さくに子どもたちとのふれあいが出来る大切な活動だと改めて感じる事ができました。

◆居場所ぐーてんホームページ(NPO法人ZUTTO)◆
https://guten.npo-zutto.com/